観光取材における広さと深さの問題について

観光系のライターが悩むであろうポイントのひとつとして、どこまで広く・深くするかという問題があります。

例えば「富岡市」を紹介したいときに、世界遺産登録された富岡製糸場はやっぱり多めに尺を取りたいわけです。


富岡製糸場は文化的・歴史的に偉大な場所なので、書こうと思えば富岡製糸場だけで1万字くらい余裕で書けてしまうのですが、それだと富岡市の他のスポットについて紹介できなくなってしまいます。


そして富岡市を代表する娯楽施設である群馬サファリパークもボリュームたっぷりのスポットで、車で楽しめるサファリエリア・歩いて楽しめる動物園エリア・遊園地・レストランと、全部紹介していてはキリがない。

かといって、珍名物ホルモン揚げを食べ歩きできる「岡重肉店」やシルクソフトが食べられる「おぎのや」と同じ尺で紹介するわけにもいかない。規模が違いすぎる。


というわけで、あるエリアをうまく紹介するためには、どのスポットをどれくらい深く書くかというのが課題になってくるんですね。



そんな中、僕はいつも広く・深くしすぎてしまう癖があって、1回の取材で写真を1000枚くらい撮ってきてしまいます。切り捨てるのが怖くて。

だから「あ〜〜〜尺の割合がわかんね〜〜〜」ってなって、結局広く取材した全部のスポットを深く書いちゃうので、1万字くらいの記事になってしまうんですよ。

それでもいい、のかもしれませんが、1万字って結構な量で、読んでる側からするとダレる。当たり前だけどWEBページっていうのは下の方に書いてあるほど読まれないので、せっかく深く記述した部分が読まれないっていうのも切ない。


だからこれからは、広さを求められている時は広く浅く、深さを求められている時は深く狭く、と記述の使い分けをしていきたいですね。


写真も1000枚撮ると選別がめんどくさくて、それだけで気分が萎えちゃいますし。


本当に必要そうなところまで取材する、本当に使いそうな写真だけを撮る、という、切り捨ての勇気が欲しいです。そうすれば時間と手間がだいぶ短縮される気がします。

市根井|群馬の(元)フリー編集者・ライター

群馬県在住の編集者/ライターでしたが2020年4月に法人化しました。

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